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雑多ななにか
by marori_75
寺山修司詩集(その2)
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引き続き、大好きな詩の紹介
同じく「寺山修司詩集」より


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恋人に歌ってあげたかったら



引き算の問題ですよ
十から一羽の駒鳥(こまどり)を引くのです
九から一本の酒壜(さかびん)を引くのです
八から忘れものの帽子を引くのです
七から一夜の忘却を引くのです
六から一台の手押車を引くのです
五から一望の青い海の眺めを引くのです
四から一冊のジャムの詩集を引くのです
三から一人の恋敵を引くのです
二からは何も引くことはない
一からは何も引くことはない
二人で旅をつづけていこう
それがぼくらの恋の唄



※人生処方詩集より


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うつくしい恋文です


二からは何も引くことはない
一からは何も引くことはない


というところが好きです


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ふしあわせと言う名の猫



ふしあわせと言う名の猫
がいる
いつもわたしのそばに
ぴったり寄りそっている

ふしあわせと言う名の猫
がいる
だからわたしはいつも
ひとりぼっちじゃない

 このつぎ春が
 来たなら
 むかえに来ると
 言った

 あのひとの嘘つき
 もう春なんか
 来やしない

ふしあわせと言う名の猫
がいる
いつもわたしのそばに
ぴったり寄りそっている



※歌謡詩集より


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落ち込んだ時、励まされた詩です
自分だけ不幸なんじゃないか、なんて思っていた時、
「ふしあわせと言う名の猫」がわたしにぴったり寄りそっていると思ったら、
気持ちが楽になりました


わたしの想像の中で「ふしあわせと言う名の猫」は、白い毛のうつくしい猫です
by marori_75 | 2008-01-30 21:24 | 演劇や映画や本や
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